上田 昌良 ホームページ  Masayoshi Ueda
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オリオン座流星群(Orionids)

オリオン座流星群は、2006年に,近年として最大級の出現があった.NMSの内山茂男氏は,2006年10月21/22日の眼視観測をまとめてオリオン座流星群の平均出現数をHR=68,ZHR=82と発表した.これは母彗星であるハレー彗星から約3000年前に放出されたダスト・トレイルの接近によるものであったと佐藤幹哉氏らが発表した.この接近は2010年まで続くようである.2006年のオリオン座流星群の突発大出現は,予期せぬ出来事であった.この流星群の出現は定常的でありZHR=20程度は毎年、出現していたのである.それが2006年の突発は,通常年の約4倍の出現があったので、観測者は一様に驚いたのであった.
 オリオン座流星群は,10月22日ごろを極大として10月2日〜11月7日の約1か月間に活動する流星群である.母彗星は,5月のみずがめ座η流星群と同じく1P/ハレー彗星である.オリオン座流星群の発見は,1839年に観測したE.C.ヘリックといわれている.現在では、オリオン座流星群の輻射点は自動TV観測による大量の同時流星から輻射点の東方移動が求まっている.先にも述べたが,活動期間が長い流星群では輻射点位置が相当動くので観測に当たっては次の位置を参考にしてほしい.
 月  日  R.A. Dec.
 10   5  85°+14°
 10  10  88  +15
 10  15  91  +15
 10  20  94  +16
 10  25  98  +16
 10  30 101 +16

2010年は、ダスト・トレイル理論から最後の活発な出現が予報されている年である。ただ、残念ながら、10月23日は満月であり、明るい月光のため眼視観測には支障がある。明るい月光のため肉眼で見える流星は少ないかもしれないが、明るい流星の出現の有無なら観測可能であるので、ぜひ観測はしておきたいものである。



流星群のリスト
 http://meteor.chicappa.jp/2010NMS/64_Meteor_Showers_IAU_2010_2011.xls


流星の眼視観測をはじめよう
 http://homepage2.nifty.com/s-uchiyama/meteor/meteor-index.html



2008年10月22日2:43JSTに出現のオリオン座流星群の流星
撮影:上田 昌良、

2010年のオリオン座流星群も、この映像のように、月と流星が見えるかもしれない。