2010年1月6日23:24:05JST出現の火球(-3.9等)の軌道
報告:上田 昌良
この火球は、3カ所で同時TV観測された。撮影状況は次のとおりである。
No. |
記号 |
撮影者 |
撮影地 |
撮影レンズ |
発光点 |
消滅点 |
フレーム数 |
最大測定光度 |
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1 |
M10034 |
三本松高校 |
香川県 |
f6mm |
○ |
× |
241 |
-2.25 |
1/60s |
2 |
M10035 |
Masuzawa |
長野県 |
f6mm |
○ |
○ |
131, 31 |
-1.20 |
1/60s、途中で雲に隠される |
3 |
M10036 |
SonotaCo |
東京都 |
f8mm |
○ |
× |
104 |
-0.20 |
1/60s、途中までキャプチャー |
表中、三本松高校では、消滅点が写っていないとなっているが、ほとんど消滅点といえる経路まで写っている。Masuzawa氏のところでは、流星経路の途中で雲に隠されてその部分は写っていなかったので、その部分はフレーム数には入れていない。
この火球の画像は次のところにあるので参照されたい。
http://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=2251
対地軌道は次のとおりである。発光点の高さは75.1kmで、消滅点は31.8kmであった。かなり低空まで到達していた。火球の実経路長は47kmと短かいものであった。突入角は66°という大きな角度で地球大気に突入してきた。
この火球は15.4km/sというかなり遅い速度で、地球大気に突入してきたが、減速が観測からは確認できなかった。継続時間が4.0秒と長く減速が期待されたがそれはできなかった。
この火球は散在流星であった。速度が遅く、低空まで到達しており、隕石の落下の検討も考えられるが、実経路長が短いことなどから、隕石の落下は望みは薄いと思われる。落下があったとしても日本海であり捜索はできない場所である。
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No. |
|
|
年月日 |
(YYYYMMDD) |
20100106 |
|
時刻UT |
(hhmmss) |
142405 |
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視輻射点 |
αo |
71.1 |
±0.34° |
|
δo |
+27.1 |
±0.77° |
修正輻射点 |
αG |
65.3 |
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|
δG |
+24.6 |
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観測速度 |
V∞(Km/s) |
15.4 |
±8.3km/s |
消滅点での速度 |
V (km/s) |
15.4 |
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地心速度 |
VG(Km/s) |
10.9 |
|
日心速度 |
VH(Km/s) |
38.0 |
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交差角 |
Q(deg) |
69.7 |
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絶対光度 |
(Mag). |
-3.9 |
λ:135.322° φ:35.971+° h:44.4km |
発光点 |
Hb(Km) |
75.1 |
λ:135.177° φ:+35.942° |
|
* |
|
|
消滅点 |
He(Km) |
31.8 |
λ:135.382° φ:+35.982° |
|
* |
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a :軌道長半径 |
(AU) |
2.46 |
|
e :離心率 |
|
0.626 |
|
q :近日点距離 |
(AU) |
0.919 |
|
Ω :昇交点黄経 |
(deg) |
286.02 |
|
i :軌道傾斜角 |
(deg) |
0.91 |
|
ω :近日点引数 |
(deg) |
213.84 |
|
P :周期(年) |
(yr) |
3.85 |
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流星群名 |
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Spo. |
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継続時間 |
(sec) |
4.0 |
|
太陽黄経 |
(deg) |
286.019 |
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突入角 |
(deg) |
66 |
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測光質量 |
g |
180 |
|
(J2000.0) |
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謝辞
計算処理は早くできあがっていたのですが、文章にするのに手間どりまして今ごろの発表となってしまいました。今回の同時火球のM**A.XMLファイルを撮影者の方、全員から提供いただきました。最後になりましたが、お礼もうしあげます。