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  2010年やぎ座α流星群(CAP)の輻射点
       報告:上田 昌良

やぎ座α流星群の撮影数は、1夜に多くて4個、通常は1〜2個である(これは広角レンズのカメラ1台で撮影した場合)。
同時流星が得られた期間は、2010年7月17日(λ114.76°)から8月8日(λ134.94°)であった。その流星数は、102個で
あった。やぎ座α流星群の輻射点はひろがりが大きく、複雑であるといわれていたが、図のように輻射点の二重構
造がみられるという単純なものであった(P. Jenniskens, 2010、植原, 2010)。この流星群の母天体の候補は次のものが
ある。
169P/NEAT(2002 EX12)
45P/Honda-Mrkos-Pajd.
C/1457L1
72P/Denning-Fujikawa
141P/Machholz 2
2101 Adonis(1936CA)
9162 Kwiila(1987 OA)
母天体は彗星169P/NEATであることが確定している(P. Jenniskens, 2010)。図には、母天体候補からの計算した輻射
点位置をしめした。これからも169P/NEATからの位置が一致していることがわかる。
母天体候補からの流星輻射点の位置は長谷川一郎(1990)先生の理論計算によった。母天体の軌道要素は、
中野主一氏によるものを使った。なお、小惑星の軌道要素を教えていただきました中野氏には、この場をおかりしまして
感謝を申し上げます。

2010年のやぎ座α流星群の輻射点とその移動は図にあらわしてあるのでそれを参照してほしい。同時流星のデータ
については、SonotaCo NetworkとNMSに報告のあったものを使った。