2010年10月17日23:24:57JST23:24:57JST出現の火球
火球の左上の像は、レンズによるゴーストである。
撮影:WAT-100N , 6mmレンズ 撮影地:大阪府、 撮影者:上田 昌良
下の画像は、動画をコンポジットして静止画にしたもの。(動画は
こちら11.0MB)
結果報告: おうし座北流星群(NTA)の火球、2010年10月17日23:24:57JST出現
報告:上田 昌良
継続時間が2.1秒という比較的長い火球が出現した。この火球は、9カ所で同時撮影されていた。計算の結果、この火球は、おうし座北流星群(NTA)に属するものであることがわかった。なお、この流星群の出現期間は9月19日から12月1日(Cook,
1973)となっており十分に出現期間内のものである。
明るさは、最大時の絶対光度で-5.6等となり火球と呼ぶにふさわしいものである。光度曲線を図にしめしたが、それによると、発光点(写り始め)は2.6等で消滅点(写り終わり)は-0.5等で急激に消滅していた(いずれも絶対光度)。途中で2回の明白な増光があり、1回目は高さ72.6km地点で-3.7等に増光し、2回目は高さ43.8kmで最大の増光である-5.6等になった。
速度は、発光点(初速)で34.3km/s ±5.5km/s、消滅点(終速)で24.0km/s ±5.5km/sであった。地球の天頂引力を取り除いた地心速度Vgは32.3km/sであった。図に速度の変化をしめしたが、あきらかに減速している。
撮影状況の表中の備考にある1/60sは、火球動画をAnalyzerV2ソフトで自動測定したもの。1/30sは、火球動画をAnalyzerV2ソフトを使って1フレームごとに手動測定したもの。2/30sは、同様に2フレームごとに手動測定したものである。また、手動測定したものはRBAviMeteorソフトで輝度測定をして光度決定をした。表中に記号がない火球は、今回の計算処理に使っていない。手動測定には時間がかかり、これ以上は処理できなかったのである。同時観測が多く、うれしい悲鳴をあげている。
最後になりますが、撮影画像等を提供していただいた三本松高校、岡本貞夫、司馬康生、Masuzawaの諸氏に御礼もうしあげます。
.
.
>
_