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    報告:上田 昌良

この火球は、岡本貞夫氏(愛知県)と上田昌良(大阪府)の所で同時流星となった。それで軌道計算
を行った。軌道計算の結果は次の表にまとめた。
この火球は岡本さんの観測地との距離が79kmとかなり近い場所に出現したものでした。それだけ
に明るすぎて、その明るい部分の流星位置測定はできなかったようです。
UFOAnalyzerV2ソフトでは自動測定で、1/60秒ごとに位置を測定していますが、これですと、各フレ
ームごとの速度決定が極端に大きな誤差が出て使えなっかった。それで、 3フレームごとの位置で
軌道計算をしたことろ誤差が少し改善された。



撮影地:愛知県、撮影者:岡本 貞夫
ワテックカメラに6mm広角レンズ、自動TV観測、



撮影地:大阪府、撮影者:上田 昌良
ワテック カメラに3mm広角レンズ、自動TV観測、





上田の所で撮影された流星の位置測定結果。緑色の点は、6mmレンズで撮影した流星位置。青色の
点は、3mmレンズで撮影した流星位置。同じ流星を同じ観測地で撮影したので、その位置が一致しな
ければならないが、一致していなかった。これは、3mmレンズの方で比較星がほとんど写っていなかっ
たため、UFOAnalyzerV2ソフトでの位置測定で測定結果がズレたものだった。それで、再度比較星のプ
ロファイルを造り直して再測定したのが、赤色の点です。(少し改善された)




この火球の軌道計算(orbit3.basを使用)の結果、初速は33.9 km/s ±9.4 km/sで、終速が18.9 km/s
±2.0 km/sまで減速していた。光度は経路の末端付近で、2回の小爆発をしていた。


軌道等、2012-2-28, 0:22:36JST
年月日 (YYYYMMDD) 2012/2/27
時刻UT (hhmmss) 15:22:36
視輻射点 αo 183.1 ±0.04°
δo +31.6 ±0.14°
修正輻射点 αG 182.9 ±0.04°
δG +31.6 ±0.15°
観測速度 V(Km/s) 33.9 ±9.4km/s
消滅点での速度 V (km/s) 18.9 ±2.0km/s
地心速度 VG(Km/s) 31.9
日心速度 VH(Km/s) 40.0
交差角 Q(deg) 58.6
絶対光度 (Mag). -5.7
発光点 Hb(Km) 101.3 λ:137.329° φ:+35.203°
*
消滅点 He(Km) 46.2 λ:137.159° φ:+35.224°
*
a :軌道長半径 (AU) 4.56
e :離心率 0.887
q :近日点距離 (AU) 0.515
Ω :昇交点黄経 (deg) 338.27
i :軌道傾斜角 (deg) 32.42
ω :近日点引数 (deg) 271.22
P :周期(年) (yr) 9.72
流星群名 Spo
継続時間 (sec) 1.9
太陽黄経 338.270
突入角 (deg) 74
測光質量 g 22
実経路長 km 57.0
(J2000.0)

この火球の消滅点が46.2kmの高さであったので、隕石の落下はないと
予想した。