- 2012年2月28日, 0:22:36JST出現の火球(絶対光度-5.7等で散在)
報告:上田 昌良
この火球は、岡本貞夫氏(愛知県)と上田昌良(大阪府)の所で同時流星となった。それで軌道計算
を行った。軌道計算の結果は次の表にまとめた。
この火球は岡本さんの観測地との距離が79kmとかなり近い場所に出現したものでした。それだけ
に明るすぎて、その明るい部分の流星位置測定はできなかったようです。
UFOAnalyzerV2ソフトでは自動測定で、1/60秒ごとに位置を測定していますが、これですと、各フレ
ームごとの速度決定が極端に大きな誤差が出て使えなっかった。それで、 3フレームごとの位置で
軌道計算をしたことろ誤差が少し改善された。
撮影地:愛知県、撮影者:岡本 貞夫
ワテックカメラに6mm広角レンズ、自動TV観測、
撮影地:大阪府、撮影者:上田 昌良
ワテック カメラに3mm広角レンズ、自動TV観測、
上田の所で撮影された流星の位置測定結果。緑色の点は、6mmレンズで撮影した流星位置。青色の
点は、3mmレンズで撮影した流星位置。同じ流星を同じ観測地で撮影したので、その位置が一致しな
ければならないが、一致していなかった。これは、3mmレンズの方で比較星がほとんど写っていなかっ
たため、UFOAnalyzerV2ソフトでの位置測定で測定結果がズレたものだった。それで、再度比較星のプ
ロファイルを造り直して再測定したのが、赤色の点です。(少し改善された)
この火球の軌道計算(orbit3.basを使用)の結果、初速は33.9 km/s ±9.4 km/sで、終速が18.9 km/s
±2.0 km/sまで減速していた。光度は経路の末端付近で、2回の小爆発をしていた。
軌道等、2012-2-28, 0:22:36JST |
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年月日 |
(YYYYMMDD) |
2012/2/27 |
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時刻UT |
(hhmmss) |
15:22:36 |
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視輻射点 |
αo |
183.1 |
±0.04° |
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δo |
+31.6 |
±0.14° |
修正輻射点 |
αG |
182.9 |
±0.04° |
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δG |
+31.6 |
±0.15° |
観測速度 |
V∞(Km/s) |
33.9 |
±9.4km/s |
消滅点での速度 |
V (km/s) |
18.9 |
±2.0km/s |
地心速度 |
VG(Km/s) |
31.9 |
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日心速度 |
VH(Km/s) |
40.0 |
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交差角 |
Q(deg) |
58.6 |
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絶対光度 |
(Mag). |
-5.7 |
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発光点 |
Hb(Km) |
101.3 |
λ:137.329° φ:+35.203° |
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* |
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消滅点 |
He(Km) |
46.2 |
λ:137.159° φ:+35.224° |
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* |
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a :軌道長半径 |
(AU) |
4.56 |
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e :離心率 |
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0.887 |
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q :近日点距離 |
(AU) |
0.515 |
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Ω :昇交点黄経 |
(deg) |
338.27 |
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i :軌道傾斜角 |
(deg) |
32.42 |
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ω :近日点引数 |
(deg) |
271.22 |
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P :周期(年) |
(yr) |
9.72 |
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流星群名 |
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Spo |
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継続時間 |
(sec) |
1.9 |
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太陽黄経 |
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338.270 |
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突入角 |
(deg) |
74 |
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測光質量 |
g |
22 |
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実経路長 |
km |
57.0 |
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(J2000.0) |
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この火球の消滅点が46.2kmの高さであったので、隕石の落下はないと
予想した。