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    報告者:上田 昌良

   2012年3月14日5:29:16JSTに出現した絶対光度−5.3等の火球が同時観測できた。撮影は、岡本貞夫氏(愛知県)と
上田昌良(大阪府)の2地点同時観測でした。軌道計算の結果は、発光点の高さが123.8kmと流星では高い位置でした。観測速度は70.3 km/sと高速であった。日心軌道は双曲線になったが、速度決定の誤差から楕円軌道も考えられる。


撮影:岡本貞夫氏(愛知県)、ワテックカメラ、レンズf6mm F0.8
写っている最大光度位置と観測地の距離は141kmでした。




撮影:上田昌良(大阪府)、ワテックカメラ WAT-100N, レンズf6mm F0.8




撮影:上田昌良(大阪府)、ワテックカメラWAT-231S2、レンズ3mm F0.95
写っている最大光度の位置と観測地との距離は206kmでした。



同時流星の実経路、発光点から中央部まで精度良く求まった。





図の青は、岡本氏の6mmレンズで、緑は上田の6mmレンズによるもの、これらの撮影は比較星が写っており精度の良い
流星位置が決定できた。しかし、赤の上田の3mmレンズでは比較星が写っておらず位置測定精度はあまり良くなかった。
いずれも1/30秒ごとのフレーム位置を測定したもの、




軌道等、2012-3-14, 5:29:16JST
年月日 (YYYYMMDD) 2012/3/13
時刻UT (hhmmss) 20:29:16
視輻射点 αo 250.5 ±0.11°
δo -6.8 ±0.28°
修正輻射点 αG 250.2 ±0.11°
δG -7.1 ±0.28°
観測速度 V(Km/s) 70.3 ±2.1 km/s
消滅点での速度 V (km/s) -
地心速度 VG(Km/s) 69.5
日心速度 VH(Km/s) 42.5
交差角 Q(deg) 41.9
絶対光度 (Mag). -5.3 λ:136.530° φ:+36.086°h:79.8 km
発光点 Hb(Km) 123.8 λ:136.473° φ:+35.731°
*
消滅点 He(Km) 70.7 λ:136.541° φ:+36.167°
*
a :軌道長半径 (AU) -39.21
e :離心率 1.022
q :近日点距離 (AU) 0.862
Ω :昇交点黄経 (deg) 353.50
i :軌道傾斜角 (deg) 152.97
ω :近日点引数 (deg) 222.61
P :周期(年) (yr) -
流星群名 Spo
継続時間 (sec) 1.1
太陽黄経 353.495
突入角 (deg) 47
測光質量 g -
実経路長 km 75
(J2000.0)

高速の流星で継続時間が1.1秒もあり、これは高速流星としては長いものでした。この同時流星はどの流星群にも属さない散在でした。