上田 昌良 ホームページ  Masayoshi Ueda
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NDA群を使わない個人的な思い

NDA群は2012年のIAU総会で確定流星群なりました。そのときの95個の確定群リスト
によりますと、NDA群はλ=123.4°、α=344.7°δ=+0.4°VG=40.5 km/sでこの値は
DMSの1991年データベースよりとのこと、

しかし、2015年のIAU確定群リストでは、NDA群が
λ=139°、α=344.7°δ=+0.4°VG=40.5 km/s、値はDMSよりとなり、λ(太陽黄経)
だけが訂正されている。
なぜ、訂正するのならIAU確定群リストの資料にある明らかなものから出典しないの
であろうか。その資料とは次のものが掲載されています。

レーダー観測、2010年発表、Brown他、2,096個(2002-2008年観測)からの輻射点、
λ=139°α=345.7°δ=+2.3°VG=37.3 km/s

TV観測、SonotaCo,(8月うお座β流星群)、2009年発表、71個からの輻射点、
λ=140°α=346.4°δ=+1.4°VG=38.3 km/s

昔から、NDA群は次のように

1988年出版、METEOR SHOWERS、著者:G. W. Kronk
NDAの輻射点を8月13日(λ=139°)α=344°δ=+2°と述べている。この当たりが
NDA群だと思っていました。しかし、2012年の確定群発表でNDA群は従来のとは別群
となるくらい離れていました。

観測から得られたこれらの値を使ってNDA群を訂正、確定すればなにも問題はないのに、
そうなっていません。
前述のとおり、何かきな臭いやりかたである。まさか、オランダ出身のイエニケンス
がオランダのDMSをえこひいきしていることはないでしょうが、

ということで、小生はIAU検討リストにある「8月うお座β流星群、IAU No.342」を
使うこととしています。確定リストにあるNDA群には恨みはありませんが、、

※)どうも、歳寄りになりますと気が長くなると思っていましたら、その逆で気が
短くなり、怒りっぽくなってきました。科学は真実の探求ですが、短気には注意せねば、、、
「短気は損気」









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