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低速の流星(2016年2月3日23:56:09JST出現)

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撮影者:司馬康生、  撮影地:兵庫県

低速の流星(2016年2月3日23:56:09JST出現)
報告:上田昌良

初速が17.6. km/s±2.0 km/sという低速の流星が2016年2月3日23:56:09JST、滋賀県東近江市上空に出現しました。岡本貞夫氏(愛知県)から連絡を受け調べて見ますと、司馬康生氏(兵庫県)と上田昌良(大阪府)の所でも写っていました。それで3カ所での同時流星となりましたので、軌道計算を行いました。

計算結果からこの同時流星の特徴は次のとおりでした。

初速は17.6 km/s ±2.0 km/sで、終速が16.6 km/s ±2.0 km/sでした。つまり大気による減速がほとんどありませんでした。
(初速;写り始めの発光点での観測速度は、大気による減速がほとんどないと考えている。地球の重力に引っ張られて加速する天頂引力を受けている。さらに地球の自転によりわずかな速度に影響を受けている。そして、流星体が本来持っていた速度=地心速度、これらを総合した値が地上からの観測から得られる光り始めの発光点での観測速度
終速;写り終わりの消滅点での観測速度で、大気による減速を受けている)

これは、突入角が13°と小さく、流星の発光していた高さが101.0 kmから67.8 kmと高い大気中でその場所の大気密度が小さいため大きな減速が起こらなかったのであろう。

絶対光度は−1.1等でしたが、継続時間が6.2秒と非常に長かった。実経路長も101.0 kmとかなり長い
流星でした。


計算結果の詳しい数値は図表を参照ください。



最後に、今回の同時流星の撮影されました動画やデータ等を岡本貞夫氏、司馬康生氏に提供していただき使わせていただきましたこと、お礼申し上げます。

















































撮影者:上田昌良、撮影地:大阪府   この動画:5.8MB

撮影者:岡本貞夫、 撮影地:愛知県