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2009年12月22日2:50:29JST出現のこぐま座流星群の流星

報告:上田 昌良

 表題のこぐま座流星群の流星が7カ所で撮影されていた。その報告はSonotaCo Networkにあったのでとりまとめをした。撮影は、Watecのカメラで観測ソフトは、UFOCaptureV2を使っての自動TV観測であった。撮影者は次の諸氏であった。
1. 司馬康生(兵庫県)、2. 上田昌良(大阪府)、3. ada (千葉県)、4. INOUE(神奈川県)、
5. masuzawa(長野県)、 6. Nakai (埼玉県)、 7. SonotaCo(東京都)、
さらに撮影状況は表にまとめた。この表中の発光点○とは、撮影画面内に発光点が写っているということで、×は写野外であったという表示である。フレーム数は今回の計算に使ったフレーム数である。1フレームなど測定が飛んでいた場合には、前後のフレームから位置を按分して使った。





同時流星の天球上の交差角(Q)の表は、組み合わせの一部を載せた。求まる視輻射点位置は、Qが90°に近いほど精度よく求まる。もちろん、他の要素もあり、写っている経路が長く(写角が大きい)、フレーム数が多いほど精度がよくなる。逆にQが小さい場合には、精度が悪くなる。Qが10°以下のものを使う場合には注意を要する。





 この同時流星の軌道計算の結果、速度の減速が明確にはみられなかった。これは83.6kmという大気密度の薄い上空で消滅してしまったことがあげられる。継続時間が1.0秒と短すぎたし、継続時間がもうちょっと長くて低い高度まで達していれば明確な減速が観測から得られたと思われる。ただし、各フレームごとの速度の図をみると、発光点で36.16km/s、消滅点で35.35km/sの速度が読み取れる。0.8km/sというごく小さい減速があったことになる。発表は、観測から得られる速度として、各フレームごとの平均速度35.8km/sとした。





 さて、愛知県の伊良湖岬の上空に発生した今回の流星の実経路長は、35kmであった。突入角は37°で、発光点の高さは104.4kmで消滅点は83.6kmであった。最大光度に輝いた高さが87.4kmでそのときの絶対光度が-2.9等であった。
 この同時流星の測光質量は、1.7gであった。これは司馬氏の映像とmasuzawa氏との組み合わせから計算したものである。力学的質量は、1gとでた(司馬氏による)。ただし、こちらの方の決定は速度の減速が明確でなかったので、この決定はかなり困難なものであった。
 この同時流星は、上田と司馬氏の間で得られた同時流星として第1号であった。2009年12月22日2:50:29JST出現のこぐま座流星群の流星の輻射点位置は、交差角の大きかった観測地の組み合わせから、修正輻射点として、α215.8°δ+74.7°となった。
以上、まとめを報告します。もれなどありましたらご連絡をお願いします。最後に観測データを提供くださった皆さんに感謝をもうしあげます。












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